June 09, 2009

第1回 STS Network Japan 関西定例研究会

第1回 STS Network Japan 関西定例研究会

6月28日に、STS Network Japan研究会を京都にて行います。
今回の研究会は、今後関西圏にて定期的に行っていく研究会の第一回目となります。
定期的な研究会を通じて、関西圏におけるSTS関係者のネットワーク作りと情報交換の促進の一助となればと考えております。
第一回目となる今回は、京都大学の伊勢田哲治氏、大阪大学の山内保典氏からの発表をしていただき、議論を深めていきたいと思います。
皆様、奮ってご参加下さい。

日時:6月28日(日)14時~17時
場所:京都大学北部キャンパス農学・生命研究棟1階セミナー室

発表者ならびに概要について

伊勢田哲治氏(京都大学):「STSとクリティカルシンキング教育: 実り多い融合は可能か」

<概要>
 いわゆるクリティカルシンキング教育の中では、哲学、心理学等さまざまな分野の知見が取り入れられているが、統計資料の読み方、科学方法論の基本、心理学の常識といった、科学コミュニケーション的な部分も存在する。そこでのコミュニケーションのモードは基本的に欠如モデル的である。こうした現在のクリティカルシンキング教育のあり方を、STSの視点を取り込むことでより豊かなものにしていくことはできるだろうか。また逆に、こうしたクリティカルシンキングの教育内容を取り込むことで、STSの側が豊かになるということはないだろうか。今回の講演では、上のような視点から、これまであまり接点をもってこなかったこれら二つの分野を橋渡しすることを試みる。

山内保典氏(大阪大学):「研究を正しいと認める基準は、どうつくられるのか?」

<概要>
 あるデータを、分野Aの人に見せると「こんなデータじゃ、研究にならない」と言われる。一方で、分野Bの人に見せると「これは珍しいデータだ。面白い研究だね」と言われる。データ1つをとっても、分野によって「研究に使える/使えない」の基準が違うらしい。しかも時代をさかのぼると、1つの分野でも正しい研究の基準は変化し続けている。
 じゃ、基準をつくっている最中って、いったい何を話しているんだろう。誰がどんな役割を果たしているんだろう。社会も影響できるのかな。なんてことを、2000年におきた「旧石器発掘ねつ造事件」を題材に調べました。「その時、基準は動いた」 現場からの迫真の報告です。

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