May 18, 2011

公開シンポジウム「東日本大震災から科学技術と社会のこれまでを考える」

主催:STS Network Japan, 科学技術社会論学会
日時:6月18日(土)
   13:00~17:30
会場:大阪・梅田貸会議室ユーズ・ツウ3階(JR大阪駅より徒歩5分)
 大阪府大阪市北区梅田2-1-18 富士ビル3F
 アクセス http://www4.ocn.ne.jp/~us-2/
  地下鉄四つ橋線 西梅田駅 4-B出口上がってすぐ
  JR大阪駅 桜橋出口より南へ徒歩5分
参加費:無料
参加登録:不要

 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とその後の津波被害や一連の災害、また、福島第一原発でいままさに現在進行形で進んでいる事態をめぐる状況のなかで、科学技術と社会とのありかたについて、いまあらためて根本に立ち戻って考えていくことが必要となっているように思われます。科学技術と社会とのありかたを、どのように考えていけばいいのか、また、STS(科学技術社会論)には、なにが求められているのか。今後の科学技術と社会とのありかたやSTSを展望していくための前提作業として、本シンポジウムでは、科学技術と社会とのこれまでの取り組みやSTSなどのありかたについて振り返り、3.11でみえてきた問題・課題について、あるいはまた、これまで見えていなかったわけではないけれども、かならずしも十分に取り組まれてこなかった問題などについて、さまざまな角度から検討したいと思います。

プログラム:
講演
中島秀人(東京工業大学、STS Network Japan初代代表、科学技術社会論学会会長)
パネル討論
・神里達博(東京大学)
・田中幹人((社)サイエンス・メディア・センター、早稲田大学)
・平川秀幸(大阪大学)
・八木絵香(大阪大学)
・春日匠(大阪大学)
・中村征樹(大阪大学)
・中島秀人

May 10, 2011

(内容詳細)2010年度研究発表会・総会のお知らせ

日程:2011年5月22日(日)
場所:大阪大学中之島センター 講義室3(7F)
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

1.研究発表会(10:00-12:00)

10:00~10:40
平井俊男(大阪府立港高校)
「規制科学や民族誌の視点を含む防災教育教材の試み」

10:40~11:20
寺井紘子(京都府立大学共同研究員)
「押井守アニメにみる身体の非身体化と都市の身体化」

11:20~12:00
西條美紀 川本思心(東京工業大学)
「官房長官会見に見る福島第一原子力発電所事故のリスクコミュニケーション
     -リスクを共有するためのデザインの提言に向けて‐」
2.総会(12:00~12:30)

3.ワークショップ「東日本大震災にまつわる諸問題を考える」(13:30-16:30)
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研究発表会発表概要
10:00~10:40
平井俊男(大阪府立港高校)
「規制科学や民族誌の視点を含む防災教育教材の試み」
 高校を卒業した生徒が将来の市民として社会で安全に安心して暮らすため、具体的な課題や問題を解決しようと考える際には、社会の一員として政策の意思決定に参画せざるを得ない。
 ここでは、高校の理科で教えられる知識体系に対する、政策決定と関わる規制科学の視点や河川災害に関わる民族誌の視点を含む教材について紹介し、皆さんから意見を頂きたい。

10:40~11:20
寺井紘子(京都府立大学共同研究員)
「押井守アニメにみる身体の非身体化と都市の身体化」
本発表では押井守の作品を用い、そこに窺える身体のあり方について考察する。押井はその創作の初期から、従来のアニメーションの枠にとらわれない、独自の哲学的世界観を表明してきた。彼の作品に通底するのは、人間とは何か、人間を取り巻く世界とは何か、人間存在は何によって証明されうるのかという問いである。そしてこうしたテーマを扱うにあたって、押井は、人間とそれ以外のもの――機械、動物、都市など――を対置させ、人間身体の境界性を示そうとする。これまでも押井作品における身体性は、ポストヒューマニズム的身体や身体機械論の観点から取り上げられてきた。だが、そもそもここで扱われている「身体」とは何か、という問いに対しては、そのどれもが明確な視点を示していない。本発表では、ともに身体を指すドイツ語の概念KorperとLeibを用いることで、SFにとどまらない押井アニメの「身体」の意味とその可能性に迫る。

11:20~12:00
西條美紀 川本思心(東京工業大学)
「官房長官会見に見る福島第一原子力発電所事故のリスクコミュニケーション
     -リスクを共有するためのデザインの提言に向けて‐」
 原子力発電所の事故のような大災害につながる可能性のある事象が発生した時には、政府は国民に現時点の最新の情報を伝えること(リスクコミュニケーション)と政府の情報分析に基づいた行動を国民に取らせること(クライシスコミュニケーション)を行おうとする。そして災害時においては、テレビが最有力のメディアであることから、テレビ報道がこの政府と国民との間のコミュニケーションの媒介となる。本発表では、本年3月11日に発生した原子力発電所事故において内閣官房長官が行った記者会見とそれに引き続いておこなわれたテレビの事故報道の構造分析を踏まえて問題点を指摘し、政府、関係者、国民がリスクを共有するための記者会見とテレビ報道にあり方について試論を展開し、来場者と議論したい。
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