July 03, 2013

STS Network Japan夏の学校2013のお知らせ 

テーマ:
STSにおいて「実践」とは何か?

 STSと呼ばれる領域には、科学史や科学社会学を含め多数の学問系統及び方法論が含まれ、学問分野への貢献が目指される一方で、科学技術に係る課題解決や政策決定制度の構築や示唆の提供、分析といった「実践志向」も認められる。これには、STSの内側から派生している志向と共に、科学技術に関連し解決すべきとされる課題の増大や政策決定等への寄与への外側からの要求も影響していよう。STSと政策や実践的な課題解決等は、STS研究の成果の政策反映への期待、またSTS研究において示された手法や考え方がしばしば実現また実践されるものであることからも、本来的に密接な関係を有すものである。これらの研究には、科学技術政策や科学技術教育の方向付け、先進的な技術への社会的対処、また各種災害にかかる局面など、事後の分析や考察だけでなく、事前或いは最中に何らかの貢献が期待されることもしばしばである。

 STSにおける「実践的」「実用的」の意味も様々な場面、また時代背景により変化してきたと思われるが、これまで実際にどのような意味や側面においていかに「実践的」であったのだろうか。また、今後、ありうるのだろうか。STSにおいては、例えばコンセンサス会議や討論型世論調査(DP)、或いは科学技術に係る政策決定における専門家の助言システム構築等、多くの政策や実践を通じた研究が行われるとともに、政策の中にSTSの視点や取り組みが入り込んでいく状況にある。しかしながら、こうした流れの中で、STSの「実践」「実用」に対する在り方、政策や実際の課題解決への関与の在り方に関する動向について、根本的再考を促し実施するような研究が充分になされているとは必ずしもいえないのではなかろうか。これまでこうした「実用」の局面を意図し、実際に政策や課題解決に入り込んでいったSTS研究者、現在或いは今後それを志向するSTS研究者、そしてSTSに入り込まれてきた側では、どのような反省、成果、課題、期待が認識されているのだろうか。

 そこで、今回の夏の学校は、特にSTSに内在また外側から期待される「実践」「実用」の側面に着目し、STS領域の研究動向に関し批判的視点も含め再考することを目的とする。STSにおいては政策や課題解決への関与という「実践」も、学問系統への貢献が第一義とされていなくとも「業績」とされる場合がある。よって、これはSTSにとっての学問への貢献とは何か、「実践」や「実用」とは何かという問い、STSの在り方そのものの再考を促すものである。夏の学校では、研究発表及び関連する講演者による講演を通じ、これまでの研究動向に対する批判的視点も含めた議論を期待する。

研究発表の主なテーマ例(あくまで例であり、異なる視点からの発表や議論も歓迎される。)
  • 実際の政策や課題解決への寄与を意図したSTS研究
  • 政策(形成、施行、評価等)や課題解決においてSTSが果たしうる役割
  • STSと「実践」「実用」の関係(歴史、実情、可能性や課題)
  • 関連する制度、組織、しくみのあり方
  • STS以外の学問分野における研究の「実践」「実用」の側面

開催日程:8月30日(金)~9月1日(日)の二泊三日
*途中参加、退出可能
*詳しいスケジュールは、プログラム作成後にお知らせします。

開催地: 旅館 伯梁 http://www.s-hakuryo.com/
〒424-0901 静岡県静岡市清水区三保2993-5

参加費(宿泊・3食込み):一泊6,500円(学生)、一泊7,500円(一般)
*宿泊をされない方は、参加費1,000円をいただきます。

申込スケジュールなど(予定)
下記の通りとなっております。皆様ふるってご参加ください。

◆発表申込受付締め切り 7月22日(月)
申し込む方は、発表テーマのタイトルと100から200字程度の要旨を一緒にお送りください。また、とりあえず資料だけほしいという方は、この日までに申込書の「プログラムを送ってください」に丸を付けて送付してください。プログラムができしだい、ご連絡いたします

◆発表要旨締切 8月2日(金)
発表テーマのタイトル、当日プログラム用の400字程度の要旨と簡単な自己紹介文をご連絡ください。夏の学校のしおりに掲載させていただきます

◆参加申込受付締め切り 8月9日(金)
発表のない方は、この日までにお申し込みください。また、夏の学校のしおりに掲載する簡単な自己紹介文をお送りください

◆ 申込先
原則として以下の書式をご利用の上、stsnj.summer@gmail.comまでEメールでお願いします
タイトルに、「発表申込・氏名」、「参加申込・氏名」、「発表要旨・氏名」のように記入をお願いします

----- STS NETWORK JAPAN夏の学校参加申し込み-----
STS NETWORK JAPAN 夏の学校2013に (参加します / プログラムを送ってください)*
宿泊日 (8/30(金) 8/31(土)) ※宿泊を希望する日を選択してください
氏名(フリガナ)
性別(男・女)*
連絡先(所属先・自宅・E-mail)*
E-mailアドレス:
所属先:〒
Tel:
Fax:
自宅:〒
Tel:
Fax:
発表(する・しない)*
発表される方のみ講演題目:
自己紹介文:
*いずれかを選択してください。
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June 25, 2013

STSNJ研究発表会・総会のプログラム

日時:6月29日(土曜日) 14:00-
場所:大阪大学中之島センター608号室

【STS関係の授業実践についての情報共有】
13:05-13:45

【研究発表会】
14:00-15:00
平井俊男(大阪府立交野高校)
「ネパールの私立高校生(進学校)と日本の一般高校生の科学への学習意欲の違い」

15:00-16:00
福本江利子(東京大学大学院総合文化研究科修士課程)
「科学技術政策における「市民」:日本とシンガポールの事例から」

(16:00-16:10 休憩)

【総会】
16:10-17:00
               以上

April 30, 2013

合同シンポジウムのお知らせ

STS Network Japanでは、総会・研究発表会(6/29)の翌日、6月30日(日)に、日本科学史学会生物学史分科会と合同でシンポジウムを開催いたします。
こちらにも是非ご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

  • 日時:2013年6月30日(日)13:30-17:00
  • 場所:エル・おおさか(大阪府立労働センター)701号室
  • アクセス:京阪・地下鉄谷町線「天満橋駅」より西へ300m(地図

2012年からはじまった高等学校の新課程の生物では、メンデルの法則などの古典的な記述が削られ、現代的に改訂されたことが話題になりました。このシンポジウムでは、この機会にこれまでの生物学教育と生物学史を振り返り、これからの生物学史の役割を議論したいと思います。かつて『生物学史研究』には生物教育関連の論考も掲載されることが多かったのですが、最近は少なくなってきています。その背景には、科学史研究の変容やSTSの確立などさまざまな要因があるでしょう。新たに科学コミュニケーションという領域も登場しつつあります。科学コミュニケーションの一つとしての教育の中で、歴史的な知識はどのような役割を担いうるのでしょうか。科学史研究と教育現場との対話から探っていきたいと思います。
  • 加納圭(滋賀大学教育学部):現代化運動ともいわれる新課程高校生物における生物学史の取扱
  • 塩川哲雄(大阪府立布施高等学校):高等学校における生物学史教材の実践-体系的教材の試作と単発的な題材の紹介-
  • 福井由理子(東京女子医科大学):生命科学関連の専門職養成大学の教育と生物学史/科学史
  • コメンテーター:田中幹人(早稲田大学政治経済学術院)
主催:日本科学史学会生物学史分科会・STS Network Japan

総会のお知らせと研究発表会の発表者募集

STS Network Japan では、6月29日(土)に総会、研究発表会を実施するにあたりまして、研究発表会の発表者を募集いたします。研究者、学生、教員、実践家などさまざまな立場からの研究発表の申し込みをお待ちしています。

発表を希望される方は5月31日(金)までに、STS Network Japan へ e-mail、FAX または郵送により、氏名、発表題目、発表概要(300~400 字程度)をお送り下さい。
発表題目および概要は、プログラムの作成にあたって利用させていただきます。

科学技術と社会にかかわる幅広いテーマでの研究発表を受け付けますが、テーマが研究会の趣旨と大きく異なる場合には、発表をお断りする場合もありますので、ご了解ください。また、不安をお持ちの場合は、事前にお気軽に事務局までご相談ください。

研究発表の申込先は下記の通りです。なお、質疑応答も含めてお一人あたり 30分~40分程度を目安にお考え下さい(申し込み人数によって多少の上下が生じてしまいます。予めご了解の程、よろしくお願いいたします)。

【研究発表会・総会】
日時:2013年6月29日(土)13:30-16:00(研究発表会)、16:00-16:30(総会)
場所:大阪大学中之島センター608号室

【申し込み先】
事務局までお問い合わせください。